はいどうも、地球惑星科学コース修士1年の墨です。
アドベントカレンダー企画延長戦12/29日担当です。(インフルやなぎに越された、、)
最近はもっぱら研究の毎日ですが、天気予報に似たような研究をしておりますので、今日は天気予報の話をしますよーー。
みなさん、飛びに行く時は天気予報を見てから行きますよね?天気予報の何をみていますか?
技能レベルやどういう飛びをするかにもよりますが、私の経験を振り返ったら、こんな感じだったかなあ。
最初は雨が降るかどうかしか見ていなかった斜面時代もありましたが、講習を進めるにつれていろんな予報を見るようになりますよね〜。
さまざまな予報を見るようになると誰しもぶち当たる壁があります。
「どこの天気予報が正しいのか?」
天気予報を見れるサイトは増えてきました。技術の進歩ですね。ですが、すべての予報が一致しないことありませんか?特に雲は張りそうだけど雨は降るのかな?みたいなビミョーな天気のときはばらつきが顕著に見られます。
これにはいくつか原因があって、観測データから予報を作成する際に
- カオス性
- 観測データ数の違い
- 予報モデルの違い
- 技術者による補正の違い
などの不確定性を挟んで予報されるため、これらが予報サイトの違いを生みます(詳しくは直接聞いてね)。つまり、いまの予報システムでは完璧な天気予報はありえません。(超人気アニメでは空気の分子一つ一つを正確に予測し、完璧な天気”予言”をしておりますが、実際には人間活動まで予測しないと完璧はありえません、、)
なので、どこの天気予報が正しいとかいうことはなく、どこも確率的に当たることがあるというのが天気予報なんですね。
じゃあ、予報以上のことは予想できないのか?そこが、他のフライヤーと差をつけられるポイントでもあります。
なぜ、トップフライヤーはさまざまな予報を見るのか?
さきほどまでの話を読めば、この答えはおおよそわかるかと思います。
- ひとつだけの予報データを信じる人
- さまざまな予報データから自分なりの予報を立てる人
もちろん、後者ですよね。さらにトップフライヤーはそこに経験則で補正をかけていきます。
「〇〇サイトの予報から考えると経験的にこんな天気だな」
よりも
「〇〇サイトの予報と××サイトの予報、今の雲の発達具合などから考えると経験的にこんな天気だな」
経験則というのは根拠が多いほど生きてきます。トップフライヤーは天気予報のスパコンに勝るとも劣らない、フライトに特化した「予報コンピュータ」を持っているのです。
経験則なんてどう育てればいいの?
天気予報の経験則はなかなか蓄えるのが難しいです。その大きな原因が、「過去の天気予報を振り返らない」ことにあると思います。
天気予報って、未来の予報は見ますけど、過去の予報は見ないですよね?普通だったらもう過ぎたことなので過去の予報なんて考えないと思います。しかし、そこに天気予報の経験を集める鍵があります。自分なりに考えた「フライヤーとして天気予報に真剣に向き合う」にはどうすればいいか書いておきましょう。
- まずは、週間天気予報で天候、気温、風向、風速など大雑把な情報を見ます。複数の予報サイトの情報を比較しながら飛ぶ日の天気の自分なりの予想(平均を取ってみたり、偏りをつけたり)をしてみます。
- 1~2日前になったら、1週間前での予報との差をみたり、時間天気予報や細かいデータも出てくるようになってますので、予想の補正をかけます。
- 当日の朝、この辺まで来ると1~2日前の予報とはそこまで大差がでてくることはあまりないですが、差があれば補正をかけます。ここで重要なのが、予報だけでなく、朝の実測値も見ることです。
- 実際にフライトします。フライト中は予報に一致した点、異なる点を考えます。
- フライトが終わったら、実測と体感を過去の予報と照らし合わせて、どう違いがあるのかを振り返ります。
特に最後がとても重要で、フライトの振り返りだけでなく、天気予報の振り返りが肝になります。
また、自分の天気予想を他の人と話し合うのもとても良いと思います。他の人の天気の考え方を盗んで自分の「予報コンピュータ」を作りましょう。
雑にまとめましたが、天気の話は大好きなので、詳しく聞きたくなったら、たくさん聞いてください。わたしもまだまだ無知なのでたくさん知りたいです。ちなみに研究では、他の惑星の天気予報的なことを研究しています。こちらの話でも。
それでは。