こんにちは。東工大地球惑星科学コース修士2年の墨と申します。
本日はシルフ春のブログリレー20日目です。
今回の企画で大学院生の担当が私だけなので「研究生活とサークル」について書こうと思いましたが、自粛で暇されている人が多いと思いますので、今回は「おうちでできる”フライヤー活動”」を考えてみます。この時期ということで書きますが、以下に書くことは普段でも飛べない日(平日や雨の日)にできることです。
ありきたりなことしか思い浮かびませんが、ちょっとでも参考になればと思います。みなさんの意見も聞かせてください!
目次
1. なぜ飛び以外の時間で活動が必要なのか?
ハンググライダー・パラグライダーは外で飛ぶもの。おうちにいるときは関係ないよね〜。
そう思っていませんか?確かに飛ぶのは外です。飛べるように練習するのも外です。ぶっちゃけうまく飛べるようになるには「考えて飛ぶ時間をいかに長くするか」が最も重要だと思っています。しかし、その考えるための土台になるものは飛んでいる時間以外に固めることができると思います。
考えるための土台とは何か?難しいですね。ぼくもまだ全部はわかりません。ですが、実際に実践してみて確実に役に立っているなと思うものでおうちでできることを考えてみました。
2. おうちでできる活動例
【A】天気のお勉強
いわゆる座学の一つですね。ハンググライダー・パラグライダーは「ネイチャースポーツ」という、自然の中で楽しむスポーツの一つです。私たちのスポーツは空が活動拠点ですから、気象の知識が重要になってきます。しかし、気象予報士になるための知識までは必要ないです(知っていて損はないと思いますが、、)。
フライヤーに必要な知識は「飛ぶために必要な気象の読み方」ですね。ネットに情報がたくさん転がっていますので色々調べてみましょう。何から調べていいのかわからないという方もいると思います。ぼくは気象ブリーフィングの仕方を読んで、わからない単語や仕組みがわからない部分を調べる、というようなことをした気がします。
【参考】
- ウェザブリの友:グライダーのサイトですが、私たちにも嬉しい情報が載っています。
- BLIPMAPの使い方:サーマルを数値的に予想したい人向け。iphoneアプリあったんですね。
【B】イメージトレーニング
イメージトレーニングは有名なアスリートとかも重要性を語っているような気がします。フライトでも一緒です。「パイロットの3割頭」という言葉にある通り、空中ではなかなか考えようと思っても頭が回らないので、考える前に体が反応するようになると良いです。
また、上手い人の空撮動画をみながらイメトレをすると自分のフライトの違いなどに気づくことができ、技を盗むことができます。
さらになんといってもモチベーションですね。飛んでいる動画をみるだけで飛びたくなってしまいます。安全面、技術面、精神面の観点からイメトレはとても重要なのです。
イメトレは単なる妄想とは違って、五感と脳内のイメージを体の動きを結びつけることが必要です。イメトレには動画をみるのが一番容易いでしょう。自分の空撮動画があれば、感覚と映像がつながっていますので一番練習しやすいです。空撮動画がなければ、他のうまい人の動画などでもよいでしょう。とにかく映像と感覚、体の動きを結びつけます。
今度は映像ではなく、頭の中で場面設定をしてみましょう。東風弱めのランディングの時はこう動くとか、春先強めのサーマルに当たった時はこう動くとかいうのを想像しながら実際に体を動かします。体を動かすことがイメトレで重要で、実際に飛んだときにイメトレを生かしやすくなります。イメトレの練習を繰り返すことでだんだんと細かい設定までできるようになっていくと思います。極限までイメトレをすると、体が浮いてきたり、体の周りを風が吹くようになります。
まだ、初飛びしてないから想像も何もできん、という人は機体のセットアップ、片付けのルーティンをイメトレしましょう。気象は常に変化しますのでタイミングが重要です。せっかく天候が好転してきたのに、機体のセットアップが遅くてはチャンスを逃してしまい、悔しい思いをしますのでセットアップにかける時間は最小限にできるようにしておきましょう。
【C】周辺機器・ソフトウェア、ルールを知る
フライトを上達させるには周りにある”道具”をうまく使えるようになるのも一つの方法です。たとえば、フライトの身近な道具の一つとして「バリオメータ」がありますね。普段は飛ぶときにしか使いませんが、飛べない今だからこそ、バリオの使い方や説明書をよく読んでみましょう。知らなかった機能が実はあったりします。
今はスマートフォンのアプリでログが取れる便利な時代になってきました。アプリの機能を勉強するのもいいですね。
自分の所属している組織を知るのもいい機会かと思います。JHF,JPA,JSFFそれぞれのページをサーフィンしているとどんな組織か、何をしてくれるのか、面白い話などあったりもします。大会に出たいという人は競技ルールを調べてみると良いでしょう。
道具というものは決して全部ないと、理解しないといけないものではありません。こういうものがあるんだと知るだけでもいつか役に立つかもしれません。
- SeeYou:フライトログ解析ソフト。上昇率、旋回率などあらゆるパラメータを確認できる。これだけで1日はみてられる。
- 野人:アウトドア系SNS。投稿した人のフライトログや振り返りが見れる。
- xctrack:Android向けナビゲーター&ロガーアプリ。コンペティターの多くが使っているイメージ。無料。
- Flyskyhy:iPhone向けナビゲーター&ロガーアプリ。(布教者の1人(自称))
- GpsDump:ログやWayPointを扱うソフト。主に競技関係者が使用。
- FsComp:競技集計ソフト。これを使えるようになると競技に詳しくなる。
- 学生PGリーグ競技規定:ルールを学んでPG大会に出よう!
- 学生HGリーグ競技規定:ルールを学んでHG大会に出よう!
- gliderbase.com:パラグライダーのデータベースサイト。自分の機体が他の機体と比べて何が違うか、自分の機体の長所、短所を数値的に探れる。
3. 最後に
自粛要請が続く中、飛びに行けなくて不満が爆発しそうな方も多いかと思います。しかし、ここは一つぐっとこらえて空を飛べるようになるその日までみなさんで待ち望みましょう。