初めましての方は初めまして。
部長のエイトです。
皆さん俺の前回のアドベントカレンダー読みました?
何ていいことを書いてあるのでしょう。
激アツファンタスティックエブリデイです。
シルフも安泰ですね。
いやあ、それにしても部長ですよ、部長。
部の長と書いて部長、つまり力の権化です。
俺は権力を手に入れました。
他の者に怯えて暮らす日々は終わりを告げ、俺の時代が始まるのです。
言い知れぬ全能感に包まれました。
圧政に次ぐ圧政。
しかしながら俺に逆らえる者はいません。
否、一人だけいました。
ス〇ニキさんです(筋肉は部長と言う肩書より強いので)。
スタ〇キさんの怒りを買ってしまえば、流石の俺もひとたまりもなく、声を上げる間もなくひき肉にされてしまうでしょう。
〇タニキさんの筋肉は弱き者を守るためにあるのであって、俺を嬲り殺すためにあるのではないと信じることしかできません。
ああ、なんと無力なことか。
これを機に筋トレを始めてみるのもいいかもしれませんね。
閑話休題、ここまで来るのには苦労したものです。
色々なことがありました。
まず思い出されるのは初飛びです。
斜面講習を終えた俺は山へ上がりました。
俺と同じタイミングで初飛びを迎えた今は亡き友人、故・川野氏(POWER)も一緒でした。
「一番は譲ってやるよ」
俺はパラメインで初飛びの準備をしながら、川野に告げました。
「おう任せろ。俺、この初飛びが終わったら結婚するんだ……」
そう言って、彼はテイクオフしていきました。
とても無邪気な笑顔でした。
きっと、彼の言っていた結婚相手は中野四葉でしょう。
しかし、それが彼の最後の言葉
になることは無く、普通にランディングしました。
しばらく風が悪くて飛べない時間が続きました。
そしてついにその時はやってきました。
俺の番が回ってきたのです。
「あなたの番です」
名人は俺に言い渡しました。
マンションの住人が次々と殺されていくような恐怖はありましたが、勇気を出して空の世界へと旅立ちました。
一気に広がる視界。
模型のような家屋を見下ろし、感涙に咽びました。
ぼろぼろと流れ落ちる大粒の涙。
拙い偏流飛行で飛ぶ俺の後には、虹ができていました。
そんな雄大な(能祖ではない)景色を眺めながら、ランディングで待っている仲間たちに思いを馳せます。
沢山の友に歓迎され、祝福される。
ヘルメットを叩かれる度に、脳が痺れるような快感が全身を突き抜ける。
まさに悪魔的です。
そんな自分の姿を夢想しました。
そしてついにその時は訪れます。
パラランが近づいてきました。
ランディングはインストラクターさんの丁寧な誘導によって、つつがなく終わりました。
「みんなありがとう! やっと飛べたよ!」
俺はまさに今走ってきているであろう仲間たちに言いました。
俺に向かって我先にと全力で駆けているのでしょう。
「こらこら、はしゃぐなはしゃぐな(笑)」
「俺は逃げないから落ち着け~(笑)」
顔を上げると、そこにいたのは、川野ただ一人でした。
他の足尾人は消えてしまったのでしょうか。
初飛びしても一人。
目の前が真っ暗になりました。
その後のことはあまり覚えていません。
しかしながら、これは終わりではなく始まりであります。
俺のパラグライダー人生はここから始まりました。
川野と共に。
俺と彼はセットなのだろうなと思っていました。
ところが彼はCoC〇壱番屋(店のために一部伏字にしています)に取り憑かれ、あっさりと来なくなりました。
今となっては彼を知るものは両手足の指で数えられるほどしかいません。
諸行無常を肌で感じ、全身の目という目全てから涙が溢れ出しました。
その後も失敗ばかりでした。
ソアリングの勝手がわからず、とぐろを巻くウンコのような軌道を描きながらやんわりと高度を下げ、クーランに降りたこともありました。
俺がしていたのはウンコリング(ソアリングとウンコの輪と言う意味をかけた高度なギャグ)でした。
宿舎で窓ガラスを割ってしまったこともありました。
翌朝そのことを報告しに行ったのですが、その時はさすがのイタさんもブッチブチにブチ切れ、
「あなたを詐欺罪と器物損壊罪で訴えます! 理由はもちろんお分かりですね? あなたが宿舎をこんな裏ワザで壊し、窓ガラスを破壊したからです!」
と俺を糾弾することは一切なく、寛大な心で許してくれました。
覚悟の準備をしておく必要はありませんでした。
今思えば、俺は色々な人に支えられてきていたのですね。
そして、部長になったからには志半ばにして散っていった仲間たちや今まで支えてくれた人たちに恩返しをしなければなりません。
そのために、2つほど目標を掲げます。
まず1つ。
パラグライダーが上手くなること。
俺はまだB級生になりたてで、高くへも遠くへも行ったことがありません。
なのでとりあえずは山頂を目指します。その後は筑波山にも行きます。高度は1500mくらいまで余裕で行けるようになります。
しかし、その程度で俺が満足するとは思わないでください。
山を越え、雲を超え、飛行機を超えます。そして大気圏から脱出し、無限に広がる宇宙へと旅立ちます。
みんなが足尾で飛んでいる間に、俺は月面にランディングし、無線を入れるのです。
「B級長井です。地球は青かった」
と、ね。
楽しみですね。
そして2つ。
新入部員の勧誘。
今年の新入生は9人います。
みんなどんどん飛んでいて嬉しい限りです。
しかし、来年は革命を起こします。
キャッチーなビラを作り、SNSを積極的に動かし、ねぐの可愛さを全面に押し出すことで部員を爆増させます。
予定は500万人です。
それが叶った暁には、部費を1人1万円まで下げます。
それでも500万人×1万円で500億円の予算が手に入ります。
このお金で、まずはカムタムを修理し、G2をランボルギーニにします。次に宿舎を高級ホテルに建て替え、それを本店として日本各地にホテル営業を拡大させます。そうすることで更なる資産の増加を目指します。
夢が広がりますね。
俺の話はこれくらいにしておきましょう。
そんなこんなで気づけば12月31日となってしまいました。
今年ももう終わりです。
そういえば、日本では12月31日のことを大晦日(おおみそか)と呼ぶらしいですよ。
初見では読めませんね。
と、皆さんが一つ賢くなったところで、締めくくりたいと思います。
それでは、良いお年を。
~HAPPY NEW YEAR~